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友人は殴りたくなるような顔で尋ねてきた。
「何だよぉ。人のこと馬鹿にしたくせに実は興味津々じゃねぇかよぉ。お前もなかなかエロテロリストだな」
茶化されるのは、予想してたが、やはりこいつに尋ねたことは間違いだったか、とわずかばかりに後悔した。
「頼む、教えてくれ」
「仕方ないなぁ。特別だぜ」
その代わり女の子紹介しろよ、と友人は続けた。
昨日の彼女について、つまり「How match I?」女のことを詳しく知りたかった。友人のような邪まな欲望ではなく、ただ気になった。あの機械的な笑顔とあの可憐な笑顔。どちら本当の彼女なのかを。またどうして彼女は全く異なる二つの笑顔を持ち合わせているのかを。
「名前は?」
「そんなこと知らない。人気風俗嬢じゃないんだぜ?ただ体売ってる人間の名前なんか知るか!
それにリピーターは作らないって有名なんだ。一回ヤって終わり。それ以上に関係が深くなった人の話は聞いたことない」
そんな話は聞きたくなかった。
しかし聞かなくてはならない。
彼女のことを知りたいと願う以上は。
「そもそも何で体を売ってる」
その質問を待っていたかのように友人は何やら得意げに笑ってみせた。
「最近な、その理由の超有力情報をゲットしたんだ。女はガキの時にヤクザに売られたんだ。女の両親が借金返せなくて、その代わりにな。ガキの頃からヤクザの若い奴に回されて毎日セックスしまくりらしいぜ。そりゃテクニックも嫌でも身につくわけだよ。でももしかしたら練習したのかもな?だって客がいなくなったら臓器売られて、海の底に沈められちまうんだからな。あっははは……。傑作だよな?まさにちんこなしじゃ生きていけない女だぜ。だから必死こいて尋ねるんだよ。How match I?ってな。ぎゃはっはっは」
喋り終わった瞬間、友人は飛んだ。何が起こったのか理解出来なかった。二秒後、自分がその下衆野郎を殴り飛ばしていたことに気付いた。
「んなことあるわけねぇだろっ!!」
絶叫を残して教室を飛び出した。
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