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凄まじい殺気を放つ沖田。
直接殺気をあてられていない隊士たちもあまりの気に倒れてしまう者もいた。
さすがの怜も、これにはじわりと冷や汗がでる。
ーーどうやら僕は沖田さんを本気にさせてしまったらしいーー
これはもう人ではない。
鬼、だ。
汗で滑ってしまう木刀を力強く握り締めた。
「こんなに興奮すんのは、あんたが初めてだ」
実に嬉しそうに沖田は語る。
口調までいつもと違った。
ーー沖田さんって二重人格?
そう思いたくなるほど沖田は変わりすぎていた。
「そりゃどーも💧」
だがそれを指摘する余裕もなく怜は適当に返し、再びあの構えをとる。
その表情はもはや笑みはなく、真剣そのもの。
ーー沖田さんは本気だ。
僕も本気でやらないと勝てないーー
緊迫した空気が道場を包み込むーーー。
†
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