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ーー沖田さんも永倉さんも地獄耳だなこんな小さな音が聴こえるなんて。
しかも、人物の特定まで……。
怜が表向きは無反応で。
しかし密かに感心していると、
「歩き方はそれぞれ違うのですよ。
特徴さえ覚えれば簡単に特定は可能ですよ」
と、沖田は怜にアドバイスした。
対して怜はぎょっとする。
「なんで僕の考えていることがわかったの!?」
ーーまさか顔色を読まれたとか?
でも、さっきは表情にださなかったし……
まさか、沖田さんって実は超能力者で、人の心を読んでるんじゃ……ーー
などと、真剣に考えていると、
「別に心なんて読んでませんよ」
沖田は苦笑いをしながら言う。
「怜さんさっきから考えていること口に出して言ってますよ」
「へ?」
我ながら情けない声をあげていると怜は思った。
「悪かったな地獄耳で」
永倉が、ニヤニヤと笑いながら言った。
ーーう、嘘ぉぉぉぉ‼
うわ~、恥ずかしい💦ーー
今度はちゃと心の中で言った。
だが、恥ずかしい。
兎に角恥ずかしい。
顔はもう真っ赤。
怜はくるりとそっぽを向いて、手で顔を覆う。
今の姿を誰にも見られたくなかった。
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