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「テメェら何をやってる……」
ドスのある低い声が道場に響いた。
ようやく土方、近藤、山南が道場に到着したのだ。
だがーー
「ひ、土方副長……💦」
永倉が焦る。
(今はマズイ、非常にマズイ……)
確かに、マズイ状況だった。
隊士たちは稽古をせずに、座って雑談等をしているし……
原田はまだ道場の隅で丸くなっているし……
沖田はまだ怜に抱きついているし……
その怜に至っては窒息して死にかけている。
とてもではないが言い訳できる状況ではない。
「「「………………」」」
なんとも言えない嫌な沈黙。
土方は俯き、ぎりぎりと歯を噛み締め、
「テメェらぁぁぁ~~~、いい加減にしゃがれぇぇぇぇ‼‼‼」
本日最大の雷が落ちた。
~10分後~
「し、死ぬかと思った……」
ようやく死にかけた怜が復活した。
「すみません。可愛かったものでつい……アハハ……」
反省しているのかしていないのかわからない沖田。
「“つい”で殺されかけてたまるかっ💢」
怜はもはや敬語を使うのも忘れ、地で話している。
「お前等は何のためにここに来たんだ……」
土方が呆れた様子で言う。
†
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