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しかし沖田は目を輝かせていて、
「じゃああの時の剣だこはもしかして……」
「剣だこ?」
沖田に言われ、怜は自身の手を見る。
確かに、常に戦っていた怜の手は女にしてはごつごつしている。
あの時というのは土方に斬られかけたところを沖田に助けてもらったところだろう。
その後に、沖田の手を掴んで立った記憶があった。
たったそれだけで怜が剣を使えることを見切るとは、さすがは天才剣士と謳われる沖田総司。
ーーただの甘党の変態ではないということかーー
怜は改めて沖田の洞察力に感心した。
「恐らく沖田さんの想像どうりです」
特に隠す理由もないので、すんなりと肯定する。
沖田は、ぱあっと顔を輝かせた。
「やっぱりそうですか!!
私、この勝負さらに楽しみになりましたよ✨」
まるで新しい玩具を貰った子供だ、と怜はそう思い苦笑いをした。
「僕も新せ……ゴホンッ、壬生浪士組の天才剣士の沖田さんと戦えるなんて光栄ですよ。
でも、負けませんから」
怜は、にこりと微笑んだ。
よくよく見ればその笑顔がひきつっていることがわかるはずだ。
内心では、
ーーヤバい💧今、新撰組って言いかけた……。
未来から来たなんてそんな常識はずれなこと言えるわけないから気をつけないとーー
と、物凄く焦っていた。
†
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