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沖田はなぜか急にデレッとした笑みを浮かべて。
「天才剣士なんて言い過ぎですよ~。
おだてたって何もでませんよ」
などと言いつつ上機嫌にハハハ、と笑う。
怜は若干引いた。
「おい、テメェら試合やんならさっさとやれ!」
土方がとうとう痺れを切らした。
「つったく、本当に土方は煩いですね」
さっきまで上機嫌だった沖田は一変、ムスリと口を尖らす。
「総司ぃ。
お前今何て言ったぁ?」
沖田の陰口が聞こえたのか、土方はそれこそ鬼のような形相だ。
「煩いって言ったんです。
本当に土方さんって空気読めないんですね。」
沖田は呆れたように言った。
そして軽蔑するような冷たい目で土方を一瞥した後、
「怜さん土方(の馬鹿)ボソッも煩いですし、試合しましょうか」
ーー今、馬鹿って聞こえなかった?
などと怜がぼんやり考えていると、沖田は怜の腕を掴んで引っ張っていった。
一方土方は、
「……俺って間違ったこと言ってないよね💧」
「歳……」
もはや怒る気力もなくなくなり、ひどく落ち込んでいた。
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