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(こいつ、空気読め!!
俺がわざわざ小声で話しかけたのに普通に返事する馬鹿がいるか!!)
原田は土方に口と鼻を押さえつけられ、息が出来ずにジタバタしている。
土方は静かにしろと目だけで語ると、意味が通じたのか操り人形のようにカクカクと首を振る。
ようやく、原田の口と鼻から手が離れた。
原田はようやく新鮮な空気を吸うことができて、ほっと息をつく。
土方はそんな原田を気にせずに、
「……今はまだいいが、もう少し状況がやばくなってきたらあいつらを止める。
いつでも行動できるようにしとけ」
土方は顎で“あいつら”を示した。
もちろん“あいつら”とは、未だに対峙している怜と沖田のことだ。
原田はまるで死刑を宣告されたかのような蒼白な顔をしている。
「あいつらを?
無理無理無理無理無理無理無理。
なんかあっち触れちゃいけないような世界にいますもん!」
・・・・・
原田はあんなものに関わったらとんでもないことになると思った。
だが土方はにこり、と微笑んで、
「誰もお前一人で止めろなんて言ってねぇだろ?
それとも何か?
副長が直々に頼んでいるのに、テメェは聞けねぇと、そう言ってるのかなぁ?」
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