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ーー速いっ!
ガンッ‼
最初とは段違いの速さ。
受け止めることはできたが片手では、無理だったーー
「ようやく両手を使ったか」
どことなく満足そうに沖田は言った。
「………首を狙った……殺す気?」
怜は抑揚がない淡々とした口調で言った。
沖田は、怜の首を狙って打ち込んできたのだ。
受け止めたからいいものをもし当たってしまっていたらあのスピード、この力なら首の骨は折れて死んでいただろう。
沖田は鼻で笑い、
「それで死んだらそれまでの奴だってことさ♪」
全く悪びれた様子はなかった。
「そう……」
ドカッ!
怜は言うと同時に沖田の横腹を蹴り飛ばした。
沖田は派手に飛ばされたが、すぐに体勢をを立て直し、
ガッ!
怜の攻撃を受け止める。
そして、激しい攻防が繰り広げられる。
ガッ!
ガキッ!
バシッ!!
ガッガッ!
「何だよこれは……全然見えねえ」
「化け物かよ」
「あり得ねえ」
この場にいる平隊士にはあまりに速すぎて二人の試合が見える者はいない。
近藤、土方たち幹部でもぎりぎり目で追えるくらいでもはやとてもじゃないが、止めれる状態ではなかった。
沖田も怜も躊躇なく急所を狙って攻撃する。
これはもう試合ではない………
………殺し合いだった。
†
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