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((うるさいなぁ))
沖田と怜は同時に思う。
原田の声は大きい。
黙らせる方法はないのだろうかーー
と沖田は考えてる。
何かないかなと、キョロキョロと周りを見たとき、怜の手の中にある折れた木刀が目についた。
とっさにそれを取り上げる。
「あっ」
と、怜が声をあげたが無視する。
まだぎゃあぎゃあ騒いでいる原田に木刀(折れた)をーー投げつけた。
スコンッ!!
額に直撃。
思っていた以上にいい音がした。
「………っ!………うっ!」
原田は額を押さえ無言で蹲った。
本気で痛いらしい。
静かになったのはいいがこれはさすがに可哀想だと怜は思った。
「痛ぇよぉ……」
「どうしたんですか?部屋隅さん。
急に蹲ったりして」
沖田は素知らぬ顔で、微笑みながら言う。
その微笑みは黒かった。
ーー部屋隅さんがこうなった原因って沖田さんじゃない?ーー
怜はそう突っ込みたかったが、しなかった。
理由は怖いから。
今の沖田はあの本気モードよりもある意味怖い。
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