隊士に

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「総司」 呼び掛けられた沖田は相手の方を向いた。 怜もつられて沖田を呼び掛けた相手を見る。 ーー土方だ。 「そいつを連れて副長室に来い。 いろいろと話してぇことがあるからな」 用件だけ告げるとさっさと行ってしまう。 土方は怜の横を通る時、一瞥を投げかけーーニヤリと意味深な笑いを浮かべた。 ぞわりっ 背筋が粟立つ。 ーーあいつ絶対に何か企んでやがるっ!ーー 「仕方ないですね。 怜さん着替えてから行きましょうか」 沖田は面倒臭そうにため息をつくと固まった状態の怜の腕を引っ張って道場を出ていった。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ 沖田の部屋ーー 「なぜ、あんなに激しい試合でしたのに着替えないんですか?」 上半身裸になり、手拭いで汗を拭いながら沖田は言う。 「もう乾いちゃいましたから」 怜は壁に凭れて座っている。 その視線はまじまじと沖田の上半身を観察していた。 興味深そうに。 「乾いたって……気持ち悪くないですか?」 (私なら絶対に堪えられない) しかし、怜は首を傾げ 「別に何も感じませんよ。 それに着替えたいほど汗は掻きませんでしたから」 ごく普通に言いきる。 †
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