初めての巡回

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そして沖田はある句を見て実に楽しげにニヤリと笑う。 「ありましたよ、面白い句が」 沖田は一回ここで言葉を切る。 そして息を思いきり吸うと、 「春の草 五色までは――……」 「そぉぉぉうじぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!」 彼が言い切る前に、屯所全体に響くのではないかと思う程の怒声が遮った。 ドタドタとした激しい足音。 それは徐々に此方へ近付いてきていて…… 土方が姿を現した。 怜の部屋の前で仁王立ちをする土方。 怒っている土方など珍しくはないはずなのに、何でこんなに――…… 怖いのだろうか。 背後に般若……どころではない。 怜の目にはどす黒いオーラのような土方から立ち上っているように見えて…… 実際生えているわけないのに、土方の頭に角が生えているようにさえ見えてしまう。 †
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