10296人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、土方さん。
おはようございます」
こんなに怒った様子の土方に気づいていないのか、気にしていないのかは知らないが、沖田は満面と表現してもいいほどの笑顔でそう言った。
「何がおはようございますだ?ゴルァ。
今は昼だろう馬鹿野郎。
で、テメェ……手に持ってやがるのは何だ……?
・・
まさかアレじゃあねぇよなぁ……」
土方は低い声でそう言いながら、ゆっくりとした動作で刀の柄を握る。
そして、
カチャリ
と、鯉口が切られる不吉な音が部屋に響いた。
彼からは殺気さえも漂っていて、それは明らかに沖田に向けられているはずなのだが、あまりにもその強烈な殺気に怜は顔を引きつらせてしまう。
†
最初のコメントを投稿しよう!