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沖田は驚いて怜の方を向くが、すぐに顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまう。
「?」
いきなり耳まで真っ赤になった沖田に怜は怪訝な顔をする。
「怜さん。
そんなにまじまじと見ないでください。
恥ずかしいです」
ゴニョゴニョと沖田は呟く。
怜はああ、と納得して、
「失礼。
細い身体なのに筋肉がキレイについてたからすごいなと思って見てしまいました」
特に恥ずかしがることも、慌てることもなく言う。
ただ沖田の身体(筋肉)を観察していただなので恥ずかしがる理由はない。
(普通の女子は男の裸を見たらもっと取り乱すはずなのに……)
つくづく変わったお方だと沖田は思った。
「沖田さん」
怜は沖田に話しかけた。
「…………」
沖田は聞こえなかったのか、無視をしているのか応えない。
「沖田さん?」
「………総司と呼んでください」
「?」
怜は首を傾げる。
そんなことに構わず沖田は話し続けた。
「私のことは名前で呼んでください。
それに無理をして敬語など使わなくてもいいです」
「!」
怜は驚いて目を見開く。
ーーばれてたんだ
僕が敬語を使い慣れていないことーー
慣れない敬語で話すのはそろそろ苦痛になってきた怜はありがたくその申し出を承けることにした。
†
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