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「さぁ……どうだろうね……」
そのため怜は、二人から視線を逸らし言葉を濁し、逃げ切る方法を選ぶ。
怜からしてみれば、あの鬼のような状態の土方を敵に回すのも嫌だし、
腹黒い悪魔の沖田を敵に回すのも嫌だ。
曖昧な意見を言うことで、どうにかしょうと思っていたのだが……
「もう、怜。
はっきりしてくださいよ~」
沖田を見ていない怜は気付かなかったが、彼は不満げにプクリと頬を膨らませ、自分より背が低い怜に向かい器用に上目遣いをしている。
そして、次に彼はとんでもないことを言った。
「この前だって怜は土方さんの事‘土方は、将来絶対に禿げるぞ’とか、‘頑固ジジイ’とか言っていたじゃないですかぁ」
「!?」
――ちょっと待て!
僕がいつそんな事を総司に言った!?――
全く身に覚えの無いことを沖田に言われ、怜は驚愕する。
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