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「それより近藤さんはなんで、怜の部屋に来たのですか?」
撫でられた事で満足したのか、顔を緩め、幸せとしか表現できない顔で沖田は言う。
「ちょっと朝木君に用があってね」
近藤がそこまで言うと、キョロキョロと辺りを見回しだした。
そして、部屋の隅にいる怜と目が合うと、彼はニッコリと笑い彼女に手招きをする。
どうやらキョロキョロとしていたのは、怜を探していたかららしい。
「…………」
手招きをされるのは、なんだか自分が動物か、小さな子供のような扱いをされているようで嫌だと思った怜。
だが、あんな親しげな笑みを向けて手招きをしている所を見ると、全く悪気はないのだろう。
――仕方ないか……――
心の中で思いきり大きな溜め息をついた怜であったが、立ち上がり近藤の方に近づいていった。
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