最強ゆえに

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ゴゴ… 地響きが微かに聞こえた。 「!?」 怜はぴくりと反応したが その時はもう、手遅れだった。 地面が―― ――揺れる。 華奢な怜が立っていられないほどの揺れ。 意に介さず、倒れてしまう。 その時、マントの一部に血糊が付いてしまったが、そんなことさえ気にする余裕がない。 地震は何度か経験したことがあったが、これほど酷い揺れは初めてだった。 ビシリッ!! と、ビルが軋む音がした。 ――崩れるかも……―― 逃げないといけない。 だけど立つことができない。 動くことすら儘ならない。 仕方なく、ずりずりと這いずって出口向かう。 進むたびに、血糊がべたべたとマントに付着したが、無視していた。 しかし―― ビシ!ビシ!!ビシッ!!!! 一際大きな音が連続して聞こえた。 †
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