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「止まれ❗止まらぬと切るぞ‼」
見張りの一人がそう叫んだが、
怜は無視して先を行く。
ついに、見張りの一人が刀を抜き、
怜に、切りかかってきたーー…。
「うわぁぁぁぁあ‼」
声に怜は振り返る。
ーー何こいつ……。
怜は驚くよりもそれ以上に呆れてしまった。
あまりにも酷い切りかかり方に……
ーー声が大きいだけで、
隙まみれ。
スピードも遅い。
あれじゃあ人を切るなんてとても……ーー
怜はあっさりと見張りの攻撃を避けて、
ついでに足を引っ掛けた。
「うぎゃっ⁉」
情けない悲鳴を上げて頭からすっ転ぶ男。
男は刀を手放してしまい、
彼から少し離れた地面に突き刺さる。
ーーおまけに足元まで留守か……。
これじゃあ素人に毛が生えた程度だな……。
いや、それ以前に相手の力量がわかっていない時点で駄目か。
じゃあ素人以下だね……ーー
怜は、はぁと小さなため息をついて、
男に近づく。
刀も地面から抜いた。
†
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