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「またお前か」
一人の教師、トニの前には、正座をしている教え子、ウルリカがいる。
「えっと…すみません…」
頭を下げると、ふわふわした髪が一緒に動いた。
(…断じてその頭を撫でたいとか思ってねぇぞ!)
誰に言い訳しているかは不明。
「あの~…先生…?」
ちらりとトニを見上げる。
「あん?」
ウルリカの天然悩殺上目使い☆を見て、少し赤くなった。
「足が凄く痛いんだけど…」
ずっと正座をしていれば、まあ、そうなるのは当たり前だ。
「……まあ、いいだろう。さっさと行け」
犬を追い払うように手を振る。
「は~い」
嬉しそうに笑い、立ち上がる……………が、
「わっ!!?」
「おい!?」
足が痺れてよろけてしまい、それをトニが支えた。
「すみません…」
恥ずかしそうに笑って、トニから離れようとする。
「はあ…ほら、しっかり掴まってろ」
「え?」
ウルリカはキョトンとして、トニを見上げる。
そして意味を分かっていないウルリカを、軽々と抱き上げた。
「わひゃあ!!」
ウルリカは変な声を上げる。
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