怒る者、楽しむ者

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がくん、と膝の力が抜け、湧き上がる殺意に反してひざまづいてしまう。 胸も……苦、しい…… 「あらら、胸抑えて息をそんなに荒げて……俺に惚れでもしちまった?」 と、トリスタンがすかさず茶化しながら瞬時に間合いを詰め。 私の頭に上段蹴りを喰らわす。 無様に吹き飛ばされたけど。 痛みのおかげか、逆に意識がクリアになった。 ……おあいにく様。 私の好きなひとは、確かにいい加減で、ちょっと変だけど…… でも、いざってときは頼りになるし、何より。 あなたなんかより、ずっっと……強いです! つー、と頭から生暖かいものが頬に伝う。
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