怒る者、楽しむ者

27/44
5262人が本棚に入れています
本棚に追加
/1244ページ
「……そいつはいったいどういう意味だい?」 声こそ荒げなかったが、不気味な冷静さは既にそこにはなく。 そんなの決まってます。 言葉の意味通り。もう私一人でも、あなたが倒せるとわかっただけっ! ざんっ 言うが早いか、黒不浄を振り抜き、掴んだ腕を斬り飛ばした。 状況が把握できずに、トリスタンが口をぱくぱくさせる。 「なっ……その武器は俺には効かないはず!」 ……随分驚いてますね? 確かに黒不浄の障気はあなたには通用しないかもしれません。 でもそれを差し引いても、武器としては十分すぎる業物なんですよ。 ここまで濃い障気を内包しておきながら、刀身に歪みが一切無いのがいい証拠。 「貴様……っ!」 貴方自身の油断で掘った墓穴のおかげで、差は埋まった。 今なら……倒せます!
/1244ページ

最初のコメントを投稿しよう!