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揺らめく炎が集約し、火球は徐々に大きくなり。
やがて一定の大きさで止まる。
が、集約は終わらない。
炎の螺旋の勢いは増すばかり。
……ディアヴォルカ。
さっきは勢いで出しちゃったけど、実際に意識して発動させようとすると、とんでもなく高度な術だということが実感できる。
でも。
一度発動できたんだ。きっと、またできる。
小石がぶつかり合う音を上げながら、トリスタンが身体を起こす。
身体に巻いた包帯が破け、身体に浮かび上がった妙な紋様が覗いた。
禁呪……か。
「ゴミでも……見るような目だね」
気に食わない、とトリスタンは吐き捨てる。
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