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「――魔物でさえ禁忌とする術法。それを人間の俺が施すのに躊躇いがなかったと、そう見られたわけだ」
乾いた笑い。
「はっは、悲しいねえ」
…………。
それは……そうですよ。
私にとっては、あなたは守るべき存在を奪った敵でしかない。
揺るがない、先生の……仇。
そう言い切り、腕を前に下ろし狙い撃ちの構えをとる。
「先生……? ああ、あの黒剣を携えた魔女か。あれの弟子なら、この強さにも合点がいく……」
……そいつはどうも。
「けど」
トリスタンが背を丸め、アキレス腱を伸ばし。
「負けるわけにはいかないよねぇっ!!」
駆け出す。
ディア……ヴォルカぁぁっ!!
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