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私の手のひらから吐き出される巨大な爆炎。
それは、決意に応じてなのか、真っ直ぐに敵へと向かう。
…………でき、た。
問題は、走り来る敵。
さっきはあんなに密着した状態からでもかわしていたのに、奴はかわそうとすらしない。
かわせないはずはないのに……
そしてそのまま業火の奔流に突っ込み。
呑み込まれた。
どおおぉぉおぉんんっ!
大爆発。つまりとらえた証拠。
肉の焦げる匂いすら出ず、はじけた炎は煌々と薄暗い周囲を照らすだけ。
……やった、のか?
――そう考えたとき。
渦巻く爆発の中心に、黒い影が見えた。
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