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どす、どすっ。
瞬時に小さな氷刃の欠片が集まり、トリスタンの治りかけの身体中に突き刺さる。
まんべんなく、数十もある欠片全てが。
だがトリスタンには、おそらくだが痛覚が無い。
でなければ攻撃を受けて怯まないことの説明がつかないから。
まだまだっ!
ヴァルナに呼び掛け、刃を固体から液体に変化させ。
剥き出しの奴の身体の内部に、染み込ませ凍らせる。
硬直するトリスタンの身体。
痛みが無くても、凍らせれば動かせない!
準備は整った。
私は凍てついた奴の胸に、ゆっくりと手を押し当てた。
止まっているはずの心臓が、ヴァルナの覇気によって無理やり動かされているのがわかる。
もう一度、殺しなおす。
ヴァルナ……ごめんね。
そして、ありがとう。
息を大きく吸い込み。
ーーランブレイムッッ!!
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