怒る者、楽しむ者

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~トンヌラ視点~ 俺様の身体を、再びハエがちょこまか走り抜けながら無数の斬撃を繰り出してくる。 が、そのどれも、俺様を傷つけるには値しない。 金属同士がぶつかり合う音が響くのみ。 当然だ。相手の得物は、おそらく玉鋼、良くてミスリル銀。 それじゃ無理だ。俺様の身体は金剛の硬度なんだから。 だってのにこのクソバエは、懲りずに何度も何度も。 ……鬱陶しいハエだなぁあッ! 湧き上がる怒りに任せ、尻尾を思い切り振り落とす。 跳躍していた奴の身体は、叩きつけられた石の床ごと打ち砕かれた。 ……手応えあり。 粉塵が舞い上がり、煙が視界を覆う。
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