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「ホイミスライム発見だァ」
「モルボル発見だァ」
「うわぁぁぁぁぁ!!」
緑が生い茂る街道に 少年の悲鳴にも似た叫び声が木霊する
「ウソばっかりつくなッッ!!びっくりする」
白銀の鎧を着た銀髪の女性がそう少年を諭す
少年はにやけたままうんうんと頷き 元気良く手を大袈裟に振りながら歩いていく
「(本当にあんなのが勇者なのかッ!?クッッッ……)」
女性の心に芽生えた疑心の心は強く成長していた
城を出発してからもう半日がたつ
それからあの勇者と呼ばれている少年はずっとあの調子だ
時々 怯えの表情をしながら後ろに控えるハルナを見るが それ以外はずっと
この世界には存在しない筈の触手系モンスターの名を叫んでは女性に振り返り 叫んでは振り返る
意味不明 理解不能のその行動に頭を悩ませるフレアだった
「あッ……」
少年を怪訝に観察しているフレア
ふと少年の歩みが止まったことに気付き 前方を見る
すると
「そんなッッ!? 大量の触手が生えたブニョブニョスライム……!?」
それは クラゲに似ていた
しかしそれより何十倍も大きく なにより目と鼻と口がありそれとは違うことを示唆していた
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