第二話『触手』

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緑豊かな街道 そこに大きすぎるクラゲと対峙する3つの影があった 一つは上半身裸で筋骨隆々の男 ドギツイ化粧が印象的な彼はどっからどう見てもアレだった 二つは髪の毛を逆立たせた 15、16辺りの少年 手に漆黒に染まる両刃剣を持ち 小刻みに震えていた そして3つ 白銀の鎧に身を包んだ麗しき美女 彼女は勇猛果敢に両手に持つ鎧と同じ色の剣を掲げ 化物に向けて駆けていった 「先手必勝ォォ!!」 あと少しといった所で地を蹴りあげ跳躍 頭部を狙い掲げていた剣を振り下ろした 「ギャァァァァァァァァァ!!スプラッァァァタァァァッッッ!!」 クラゲの柔らかい頭部に ゆっくりと刃が入っていく 青い頭部から緑色の切れ目がはいりその中から液が噴水が如く吹き出されていった 「やッたか!?」 麗しきその顔を緑に染め地面に降り立った戦乙女はクラゲを見上げながらそう呟く 「マタマダマダマダマダマタマダマダマタマダマダマダマダマタマダマダマタマダマダマダマダマタマダマダマタマダマダマダマダマタマダマダダァァァァァ!!」 断末魔にも似た必死の叫びに一同は冷ややかな目線を送った 「え?」 それが功をなしたのか カタゴトだったクラゲの言葉がネイティブな『え?』にかわり クラゲの身体が崩れていく やっと終わった そう思いフレアは ソルたちに向けて右手を天高く突き上げ勝利をアピールしたのであった
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