第三話『こおりのじょうおう』

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グリーンランド、そこはひし形に型どられた大陸である 東西南北の端にその大陸を治める国の首都があり 大陸中心部 『精霊のデベソ』により国境が設けられていた 北方の小国 オカァマ 東方の国 グランバニア この二つの国が同盟を結んだことにより 大陸の戦力バランスが崩れこの地の戦乱は一歩終わりに近づいた しかし いま グリーンランドの地に新たなる魔の手が伸びてきていることは誰も知らない グランバニアより少し北に存在する城がある 元々グランバニアは年中 春のような温厚な気候である にも関わらずその城だけは年中 凍りついていた 「本当にくんのか?勇者様とやらはよ?」 その凍りついた城の中 豪華な装飾が施された室内でさえ凍りついている そんな場所に 男の低い声が響いた 声の主にカメラを向けてみると そこに映ったのは 白い虎の毛皮のコートを着た白髪の男 男は不機嫌そうな表情をしながら ポリポリと顎をかいた 「くる、私にはわかるのだ」 冷たい 全てを凍てつかせてしまいそうなほどに その声は冷静で凛としていた 「そうかよ、あんたの千里眼はすげぇもんな」 フフ、と男が返したその言葉に笑い声が聞こえた 「褒めたって何も出ないぞ?だが……」 二、三秒ため 男と目を見合わす 「ありがとう」 雪のように白い頬を赤くしながら 上目遣いにそう言った 男は 股間部を氷を溶かすが如く暑くさせ ボコボコにされた
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