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次々と並べられていく美味しそうな食べ物
少年はその全てを凝視し 唾を必死に飲み込んでいた
「(あぁ!速く食べたい!)」
そんな目を限界ギリギリまで開けながら唾をすする少年を 怪訝に見つめる一人の女性がいた
絹のドレスを身にまとい 見事な曲線を描くその身体は 美しいと言わざるをえなかった
「貴様、本当に勇者なのか!?」
「ズバズバ」
女性は艶やかな自身の銀髪を バカみたいに撫でながらそう問い掛ける
しかし少年は自分の唾をすすることに集中していてそれに気付かなかった
呆然と立ち尽くす女性
彼女は口を強く結ぶと プイッと頭を振り少年から離れて行った
「フォッフォッフォッ、じゃかんぱーい」
「やッたぁぁぁ!!」
王のその言葉に
時を止められた少年の身体が動き出す
少年はその特徴とも言えるにやけ面をしたまま鬼気迫る勢いで食物を蹂躙していく
後に彼がフードファイターになるのは まだ先のお話だ
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