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それから数十分後
「はァ……ぼくもう食べれないよ」
腹を普通の状態よりも 30倍に膨らませたソルは 自身の服からはみ出た腹を手の平でポンボンと叩く
という行動と呟きを繰り返していた
「……」
そんな少年を見つめる影が一つ
先ほどのドレスの女性だ
彼女は手に 骨つきチキンなるものを握りながら少年を怪訝の目で見つめチキンを食べていた
「はァ……もうぼく食べれないよ」
「(13回目……)」
「ほぇー、勇者殿」
満面の笑みを浮かべ自身の腹を見ていたソルは ふと聞こえた掠れた声に顔をあげた
紫ターバンの老人
王 『マキシマムハート二世』だ
「早速じゃがやってもらいたいことがある」
深刻そうな顔で話始める王
ソルは相変わらずの満足げな表情で頷いた
「実はこの国から出てちょっと北に行った所に夜のお・し・ろ☆と呼ばれる場所があるんじゃ」
「はい、僕は行きたくないよ」
「氷の女王……聞いたことはあるかね?」
「(無視した)」
いいえと 大人しく頭を振るソル
自分の行動が実を結ばないことを何度も経験している彼にとって 無視されたことなどは日常茶飯事
全く気にしないのだ
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