第二章~日常~

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「ところでマーリンはどこで暮らすんだ?もとは日本に住んでいないんだろ?」  彼女の家はきっとヨーロッパのどこかだろう。   「一応マンションを借りたわ、今から家に案内するわ。なにかあったときのためにね」 「そうだな」   女の人の家に行くなんて初めてで心臓がバクバクいっていた。 マーリンのマンションは駅のすぐ近くにあった。部屋は605号室。   「へぇ~、けっこういいところだね」 「でしょ?そこからの景色が気に入ったの」   ベランダからは街を一望できた。確かにいい景色だった。   「何か食べる?おなか空いてるでしょ?」   そういえば昼からなにも食べていなかった。さっきはそんなの気にしていられなかった。   「うん、食べる」 「じゃあ、ちょっと待っててね。ダーリン?」 「ちょっ、だっ、ダーリンって」   顔が赤くなるのがわかった。   「ふふっ、照れちゃって可愛いわね」   改めてマーリンを見ると美人だった。ゲーセンで見かけたのもマーリンだったんだ。こんな美人と結婚だなんて…いままで彼女すらいなかったのに。  
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