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みんながザワザワしながら、楓を見ていた。
楓は、男子からの支持が圧倒的に強く、女子からはひがまれている。
でも、私は本当の楓を知ってるから、そんな奴らなんか気にしない。
「ねぇ!拓斗から、連絡あったの?」
楓が心配そうに、私に聞いてきた。
『ううん…。何もない。』
私は力なく答えた。
すると、今度は篤が私のクラスにやって来た。
「リサ!辞書貸して!」
「残念でした~!私が先に借りたもんね!」
そう言って、楓が篤にあっかんべをした。
「何やってんの?馬鹿じゃない?」
そう言って、馬鹿にするような笑顔を楓に向けた。
「本当、ムカつく!」
「ありがとう…。」
そう言って、怒っている楓に篤が平気そうに笑って見せた。
「どいてよ!貧弱オタク!」
そう言って、楓が篤を突き飛ばして私のクラスから出て行った。
「楓、今生理なの?」
そう言いながら、篤が楓を指差して聞いてきた。
私は、そんな二人を見て苦笑いをした。
『何で、急に仲悪くなったの?子供の頃は、すごく仲良かったじゃん…。』
私がそう言いながら、肩をすくめると篤が悲しそうな顔をして言った。
「分かんないよ…。急に、楓の方があんな風になっちゃったんだ…。僕が、こんなだから楓は僕を恥ずかしく思ってるんだよ…。」
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