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テーブルの上には、今日の晩ご飯であろう物がラップされておいてあった。
『あっためてたべてね!』
小さな紙切れを丸めてゴミ箱に捨てた。
味噌汁をあっためて電子レンジでおかずを温め、ご飯をよそい、それをテーブルの上においた。
そしてまだ電気をつけていないことに気付くと部屋の電気をつけて、イスに座った。
直樹は、もくもくと一人で食べた。話相手がいないのだ、当然だろう。
食べ終わると、食器をつけるだけでなく洗った。
もう時計は1時30分をまわっていた。
今から風呂に入るのはめんどくさいが入らない訳にはいかない。パジャマと下着を手に風呂場に向かった。
カツカツカツ。
家の玄関の前から足音が聞こえた。あれから30分はたっているというのにまだ家についていないようだ。
その人物の顔が気になりドア穴を覗いて見ると誰もいなかった。
おかしいな、空耳かな?
風呂に入ろうと玄関からはなれようとすると
カツカツカツ。
と足音が聞こえた。その足音は、どうやらこの家の前で止まったようだ。
ドア穴を覗いて見るがやはり誰もいない。
そこまでくるとおかしいと感じはじめた。
ドアノブに手をやるが開ける勇気がない。
深く深呼吸すると勢いよくドアを開けた。やはりそこには誰もいなかった。
ホッとしてドアを閉めようとふと下をみると、赤いハイヒールをはいた2本の足がドアの前で立っていたのだ。
その足は、膝から下しかなかった。
直樹は、急いでドアを閉めた。
怖くなり風呂に入らず、そのまま布団に入って寝た。
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