見えない人

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晴れた、天気のいい朝だった。 それとは逆に直樹の気持ちはしずんでいた。 安美に言う事ができずそのまま仕事に向かった。 人込みの中。 カツカツカツ。 と足音が聞こえる。 昨日の赤いハイヒールをはいた足が脳裏をかすめる。 仕事を行く気がしなく風邪で休みます、と電話をした。 仕事をズルで休むのは悪いと思っているが今、仕事にいっても集中できる自信がなかった。 それから人のいない方へと進んでいった。 そこは、森の中だった。 だがあてもなく歩いている訳ではない、森の中に吸血鬼の館と言うのがあると言われている。 変わった者達がくると言われている館だ。 ただ一回見ただけで誰かに助けを求めるなんて臆病だな、と思っただろう。 これは、誰もがしっている噂だ。 夜遅い、満月の赤い日。 赤いハイヒールをはいた女の足はやってくる。と言うものだ。
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