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血、は僕の足元をじわりじわりと流れ出して濡れてゆく
あぁ、血。
部屋に薫った鉄臭い独特な血の薫りに僕は酔う。
「あ、ぁ…」
兄さんの口がパクパクと動いて何かを伝えようとする。
「れ、れい、れ、いが…」
僕の名前だけを一心に呼んでは僕に手のひらを伸ばした
「兄さん、にいさん…
ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
にいさんの太股に突き刺さった刃物を引き抜き、痛みに震える兄さんの太股にありったけの布を押し当てた。
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