プロローグ

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 若葉高校。  公立の中でもそこそこ頭が良く、この辺では一番偏差値が高いと評判な高校で、俺が通っている高校でもある。  志望した理由はというと……、それは追々話すとしよう。  この学校には、今年から新たな名物が出来た。  曰く、最強の大和撫子。  曰く、希代の天才。  彼女を褒め讃える言葉を並べていてはキリが無い。  その名物の名は美作撫子。  一年生にして若葉高校の生徒会長であり、俺の幼なじみでもある少女だ。  思えば、俺と彼女の間には、不思議な縁があった。  小さい頃からずっと一緒で、「ラブラブじゃん!」などとからかわれても、当時の俺たちにはピンと来なかった。  そのくらい昔から一緒にいるわけだが、俺たちが小学生だった頃、お互いに疎遠気味になっていた時期があった。  何故なら、俺に新しい友達が出来始めたからだ。  一方彼女には新しい友達が出来ず、ずっと一人で遊んでいた覚えがある。  当時、俺の心が痛まないわけではもちろん無かったが、初めて出来た男の友達と遊ぶのが楽しくて、結局小学校を卒業するまではそんな調子だった。  だが、中学校に入ってから、俺はまた彼女と遊ぶようになった。  俺は部活に入らなかったのである。  周りの友達が部活で新しい友達を作っていったおかげで置いてけぼりにされてしまった俺は、小学校までの友達と遊ぶ機会がめっきり減り、自然と彼女と遊ぶようになったというわけだ。
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