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いたいことも言えず
心を殺して
手に入れた世界
悪の大魔王といわれようとも
極悪非道といわれようとも
手に入れたかった世界
でも
手に入れてしまった今
この世界に何の価値も見出せない
どうして手に入れたかったのだろう
地位
名誉
金
私は暴君になりたかったのだろうか
違う
ただ
たった一人の人間の少女に振り向いてほしかった
少女に楽な生活を
なに不自由のない生活をさせてあげたかった
私は魔物
人ではない
それだけで少女を悲しませた
だから
少女を幸せにしてあげたかった
でも
もう少女はこの世にいない
なぜ人の命はこんなにもはかないのだろう
私は魔王と恐れられながら
孤独な日々を過ごす
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