日常

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鳥が囀(さえず)り、昨日の雨の影響もあり、木々達も生き生きしている。 そんな中を黙々と歩き続ける。 ざっ ざっ どのくらい歩いただろうか。なかなか食糧が見つからない。 程なくすると、大人達が立ち止まる。 ここはいつも立ち寄る『ファット族』の村だ。 ファット族とは、身体が小さく非力だがとても賢い種族だ。また、不思議な力を持っている。 その力というのも、実際に目した事がある訳ではないが、何故かこの村にはいつも水が溢れていた。 何ヶ月も雨が降らないかった乾季の時でさえも、この村だけは枯れる事はなかったのだ。
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