第一章・発生

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まずここですべきこと。それは食糧の買いだめだ。 「缶詰めがいいんかなあ」 「乾パンも一応な」 「長持ちする飲み物もいくつか買っておかないとな」 4人は店の中を徘徊した。1人で1つのカートを押しているので、買うものが被っていたりするのだ。 「またその缶詰め…」 「我慢しろよ」 池田が高崎を制した。高崎はどうやら缶詰めが苦手らしかった。 そうして1時間が経ち、4人は家に帰った。藤原は家に帰った後、再び自転車に跨り、どこかへ向かった。 -6/27 AM 2:30- 「ふう…ここまでやれば充分かな…。 寝るとするか…」 藤原は1人で秘密基地を作っていたのだ。小学生の時も、4人でよくこんな遊びをしていたのだ。 だが今回は遊びではない。正真正銘の秘密基地だった。 「これでとりあえずは雨風を凌げる、と。あとは…」 藤原は不法投棄されたゴミの中からまだ真新しい椅子を拾ってきた。椅子は全部で7つである。 「ま、いずれは増えるだろうしな。 多少多くてもいいか」 藤原は自宅に帰り、眠りに就いた。
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