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「こちら小林。
現状を維持せよ」
「了解…」
吾妻はたった1人で死体の検分を始め、現状の維持に努めた。
「肩に大きな噛まれた傷…間違いないな。近くに感染者が…」
吾妻は周囲を見渡した。高層ビルが建ち並び、地下鉄が配線のように張り巡らされている。
「こちら吾妻、誰か感染者を目撃した者は居ないか?」
「こちら第4小隊の佐伯、先ほど第7エリアで血溜まりを発見した。
関係ありと思われる」
「第1小隊の的場だ。
血の跡が見受けられる。場所は第5エリア」
「本部より各小隊へ。一時撤収せよ。
繰り返す。一時撤収せよ」
「了解」
第2中隊の各小隊の隊員が、大阪城公園に設置された本部へと集まってきた。
「小此木二尉、小林二尉、遠藤二尉、桜井二尉、現状を報告せよ」
「第1小隊、第5エリアで血の跡を発見。現在待機です」
「第2小隊、第1エリアで感染者による犠牲者を確認、現在隊員4名が捜索中」
「第3小隊、異常なし」
「第4小隊、第7エリアで血溜まりを確認。現在待機です」
「これはまずいことになったな…。
どうにか犠牲者を出さないでおきたかったが…。
こうなってしまってはやむを得ない。これより発砲を許可する。
一般人に危害を加えようとする輩には容赦するな。
例えそれが女子供でもだ!
これ以上犠牲は出すな!」
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