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「こちら斎藤!
駅上空にカラスの大群を確認。危険性大です!」
「もしかして……っ!
みんな伏せろぉ!」
小隊長が叫ぶと、駅利用客が立ち止まった。
小隊長は89式小銃を上空に向けて再び叫んだ。
「奴らを撃ち落とせ!
他は全員伏せろ!」
小隊長がカラスに向けて発砲した。すると、上空を旋回していたカラスの大群が、駅に居る人間に向けて急降下を始めた。
「撃ち落とせ!」
ホームのあちらこちらから発砲音がこだまする。
「くそぉ!」
カラスの死体がバタバタとホームに落下していく。だが、カラスの数はあまりにも多すぎた。
隊員たちの一斉射撃でも防ぎきれず、ついに一般市民に犠牲者が出始めた。
「くそっ!防ぎきれないか…」
「諦めてはいけません!」
小隊長の耳にそう聞こえた。彼は後ろを振り向いた。
しかし、そこには誰も居ずに、ただカラスの死体が一つあっただけだった。
「…?
なんだったんだ?」
彼は再びカラスと対峙した。未だ数百匹は居るであろうカラスの大群。
そしてそこに、さらなる脅威が大口を開けて近づいていた。
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