第二章・感染拡大

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「こちら斎藤! 駅上空にカラスの大群を確認。危険性大です!」 「もしかして……っ! みんな伏せろぉ!」 小隊長が叫ぶと、駅利用客が立ち止まった。 小隊長は89式小銃を上空に向けて再び叫んだ。 「奴らを撃ち落とせ! 他は全員伏せろ!」 小隊長がカラスに向けて発砲した。すると、上空を旋回していたカラスの大群が、駅に居る人間に向けて急降下を始めた。 「撃ち落とせ!」 ホームのあちらこちらから発砲音がこだまする。 「くそぉ!」 カラスの死体がバタバタとホームに落下していく。だが、カラスの数はあまりにも多すぎた。 隊員たちの一斉射撃でも防ぎきれず、ついに一般市民に犠牲者が出始めた。 「くそっ!防ぎきれないか…」 「諦めてはいけません!」 小隊長の耳にそう聞こえた。彼は後ろを振り向いた。 しかし、そこには誰も居ずに、ただカラスの死体が一つあっただけだった。 「…? なんだったんだ?」 彼は再びカラスと対峙した。未だ数百匹は居るであろうカラスの大群。 そしてそこに、さらなる脅威が大口を開けて近づいていた。
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