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零崎たちの援軍が到着してから数分。ホームは血で赤く染まっていた。
その血の大半は感染者やカラスのものだったが、微量自衛官である彼らの血も混ざっていた。
「種田!種田ぁ!
しっかりしろ!死ぬな!」
血を出して倒れているのは種田だった。感染者に首筋を噛まれ、かなりの出血をしている。
「零崎……役に…立てなくて…すまねぇ…な…。
きょ…京子ちゃんのこと…頼んだ…ぜ?
へへっ…後始末を…よろし…くな…」
種田はそう言い残し、この世に別れを告げた。
「た…種田さん…そんな…今度一緒に海に行こうって約束したのに…」
「あいつ、君のことが好きだったんだな」
「……惜しい人材を失った。
これから数分後には奴らの仲間入りをしているだろう。今のうちに最後の別れをしておこう」
「上官…」
「黙祷」
-同時刻・総理大臣官邸-
「岐阜で起こった感染が愛知や大阪で猛威を振るうか…」
「総理、会談のお時間です」
「大統領はどこで待っているんだ?」
「既に隣の部屋でくつろいでおられます」
「そうか…」
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