第二章・感染拡大

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総理大臣官邸で、首相と大統領が話を始める。 日本の状況が状況だけに、この後のことを考えておかなければならない。 最悪の場合、日本はこの感染症に滅ぼされるかもしれないのだ。 「すぐに国連軍を出動させたいが…未だに北朝鮮が厄介だ。 国連軍は動けない」 「そんな…。それでは日本は壊滅してしまう!」 「そう焦ることはない。 海兵隊を投入すれば少しは良い方向へ向かうだろう」 「殴り込み部隊を日本に投入するんですか?」 「なぁに。天下の海兵隊だ。間違いなどありはしないさ」 -6/28 21:00・天王寺駅- 「なんだよあれ?」 「さぁ? あっ…もしかして大阪駅に現れた異常者とかいうあれかな?」 「そんな笑えない冗談を…って…え?」 彼らが見ていたのは正真正銘の感染者だった。 そしてそれは、新たに1人の犠牲者を出した。首を噛み千切られ、血しぶきが舞った。 もちろん、噛まれた本人は即座に息絶え、感染者は周りの人間に襲いかかった。 「やべぇよ! 警察呼ばねえと!」 1人の男が携帯電話で110番通報する。 「はい警察です。事故ですか?事件ですか?」 「え…えと…殺人です!場所は…天王寺駅!は、早く来てください! このままじゃ俺も…あぁっ…」 電話はそこで切れてしまった。ただならぬ状態だと判断した警察官は、すぐさま現場へ急行した。 たった2人で。
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