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警官が到着すると、駅の床には人が数人倒れていた。
「しまった…遅かったか…」
「あいつが犯人ですか?」
「多分そうだろう。
気をつけろ、奴は感染者だ。噛まれたりしたら…終わりだぞ」
若い警官は、感染者に銃を向ける。そして無駄だと知りながら制止するように言う。
「無駄だ…感染者は理性とかそういうものが無いらしいからな」
制止の声で感染者が警官たちの方へ向き直る。
そして若い警官が発砲した。弾は感染者の腹部に命中した。
感染者は少しよろめいただけで、2人の方へ近づいてくる。
「ちっ…奴らは不死身か?」
「本部からの通達をちゃんと見たか?
感染者は頭部を損傷させなければ死なないぞ」
「あっ…そういえばまだ見てませんでした…」
若い警官は再び銃を構え、発砲する。感染者と警官たちの距離が3メートルというところでようやく頭に命中した。
感染者は膝を着き、ゆっくりと倒れた。
「元凶は倒れたが…見ろ、奴に噛まれた人間たちが起き上がってきたぞ」
「応援を頼みましょう!
このままじゃ…」
「俺は応援を頼んでくる。1人で大丈夫か?」
「弾が無いです…さっきの感染者に4発撃ったから残り2発なんです…」
「わかった…これを貸す。少し粘っててくれ!」
年配の警官は走って駅を出て、車にある無線で応援を要請した。
「了解……ザザ…すぐに到着する…ザザ…耐えてくれ」
警官は再び駅の中へ走った。1人で残した警官は、負傷していた。
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