93人が本棚に入れています
本棚に追加
/58ページ
「俺…やられちゃいました…きっともう助からないです…」
若い警官は感染者を全員射殺した後、自分の頭部に銃口を突きつけた。
「や…止めろ!」
「駄目なんです…俺、奴らに噛まれて…見てください。こんなに酷い傷なんです。助かるはずないじゃないですか。だから…俺、迷惑をかけないうちに退場します…」
そして…。警官は引き金を引いてこの世に別れを告げた。
あまりにも堪えがたい今回の事件。1人残された警官は、その場に膝を着き、頭を垂れた。
-7/1 12:30・府立高校-
「ついに我が校の周辺でも犠牲者が出てしまいました。
教育委員会の緊急会議での話し合いの結果、我が校は1ヶ月の休校となりました」
「は?1ヶ月も休校…?」
「なぁ…藤原はどうする?」
「俺か?俺は……」
言葉が詰まった時、急に警報機が鳴り響いた。
「見てきます」
「先生が見に行ったで。
俺も見てくるわ」
藤原は体育館から抜け出し、校舎の様子を見に行った。
「まずは1階から……っ?」
1階の事務室の様子がおかしかった。
室内からガシャンガシャンと耳障りな音がしている。
「…………っ!?」
事務室の中は荒れていた。そして奴は居た。
「君!こいつをどうにかしてくれ!」
「はいよ!」
藤原は調理室にあったフライパンで感染者の頭を強打した。
「ジャストミート!」
感染者は顔面から床に倒れた。
「誰か噛まれてませんか?」
「いや、大丈夫だ。誰も噛まれたりしてないぞ」
「よかった…。
ここは危険です。体育館に来てください」
最初のコメントを投稿しよう!