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素早い返事に、藤原は一瞬戸惑った。しかし、怪物の移動はかなり遅く、一瞬程度の隙では何の問題もなかった。
「どれくらいでここに着く?」
『あと5分だ!』
藤原には、仲間たちがなぜ、たったそれだけの時間でここにやって来れると言い切れるのか分からなかった。
「頼もしいな…」
藤原はそう言って通信を終了した。
そして7分後。
体育館の入り口前に、3人の姿があった。
ガチャンと大きな音をさせ、体育館の扉が開いた。
「待たせたな!」
「翔!勇人!」
「悪い、事故車が道を塞いでたから遅れちまった」
「さて、とりあえず殺るのはあいつだな」
「あぁ。あいつは見て分かる通り硬い表皮で覆われている。
傷をつけるにはそれなりのものじゃないと無理そうだ」
「45ACP弾のこいつなら?」
「やってみる価値はあるな」
「拳銃なんて使ったことねーからな。
エアガンとかならあるけど」
「反動とかはガスガンの3倍ぐらいじゃないのか?」
「詳しくないから知らん。
とりあえずあいつに…」
池田はガバメントを両手でしっかりと構え、怪物を狙った。
高崎はどうやら何も持ってきていないようだ。
木刀や日本刀はかさばるためである。
「護身用の武器はないのか?」
「あるある。ちゃんと持ってるでぇ!
俺の銃を!」
高崎がポケットから勢いよく銃を抜いて構えた。
「と、とにかくそいつを倒してくれ。
俺はみんなに事情を説明しておくから!」
藤原はフライパンをしっかりと握りながら体育館を後にした。
頼れる仲間が2人、命を張って怪物を食い止めているのだ。早く2人の為に戻らなければならない。
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