第三章・海兵隊

2/9
93人が本棚に入れています
本棚に追加
/58ページ
-7/1 14:10・太平洋上空- 「あと数時間で日本に着く。 みんな、準備はいいか?」 この連隊の隊長ハワード・カミングスキーが、座っている隊員たちに声をかける。 隊員たちはM4カービンを手にとって頷いた。隊員たちの顔は、この状況にも関わらずどれも笑顔だった。 -7/1 18:55・八尾駐屯地- 「久しぶりの実戦任務だ。皆、心してかかれ!」 「サー、イエッサー!」 すでに内閣総理大臣から防衛大臣を経て、海兵隊一個連隊による援助を通達されているようで、陸上自衛隊の隊員が出迎えてくれた。 「出迎え感謝する。 我々はこれより分散し、問題の大阪、名古屋、岐阜の敵を殲滅する。 貴殿たちにはバックアップに回ってもらいたい」 「了解しました!」 この連隊を率いるハワード大佐は、人喰い病がどんなものか知っていた。 彼には隠された過去があった。しかし今はまだ過去を明かす時ではない。 「大佐、デイヴィット中佐の率いる第1大隊が出発しました」 「そうか。次の部隊も出発させろ」 「定時連絡。アルバート中佐の率いる第3大隊が名古屋の封鎖線に到着した模様です」 「第2大隊から定時連絡。 岐阜県庁前に到着した模様」 「第4大隊のグレッグ中佐が出発しました」 「よし。これより本部を設置する。作業に入れ」 「サー、イエッサー」
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!