第三章・海兵隊

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本部を設置するのは八尾駐屯地ではなく、伊丹駐屯地だった。 「ここより伊丹駐屯地の方が都合がいいだろう。 第3師団の…いや、中部方面隊の総監部がそこだからな」 「よくご存知ですね」 自衛官の1人がそう言う。ハワードは当たり前だとでも言うように鼻で笑った。 「とにかく、あまり時間がないのだ。急ぐぞ」 ハワード以下、一個連隊本部付き兵士30人が移動を開始する。 「高速道路を使用する」 「陸上自衛隊三等陸佐、東郷洋介が先行致します」 「よし、任せた」 -7/2 04:17・伊丹駐屯地- 「本部設置完了。 各隊、状況を報告せよ」 「こちら第1大隊、現在大阪市内の敵を掃討中。隊員4名が敵の攻撃を受け負傷、全身の痒みを訴えている」 「こちら第2大隊、市街地を制圧。ただし隊員の多くが負傷、健全な者は半分以下だ」 「こちら第3大隊、市街地の敵を掃討中。ただし今のままでは地下の捜索は不可能、援軍を要請する!」 「こちら第4大隊。 南河内区域を捜索中」 「本部了解。第1、第2大隊、応答せよ」 「こちらデヴィッド中佐」 「デヴィッド中佐、負傷者は隔離せよ」 「了解」 「こちらマクレーン中佐、本部どうした?」 「マクレーン中佐、負傷者は隔離せよ」 「隔離?どうして?」 「感染者によって負傷させられた場合、そいつはワクチンを打たない限り100%死に至る」 「な、なんだって?」 「補足すると…死んだ者はウイルスの活性化によりゾンビとなって復活する」 「わ…わかった。隔離する」
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