第三章・海兵隊

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隊員たちのM4が激しく火を吹いて、5.56mm弾を化け物に叩きつける。 奇襲攻撃に驚いたのか、化け物たちは逃げだそうとした。 「無駄だ!」 アルバート中佐が逃亡ルートの前に立ちはだかり、二本の刀を構えた。 「隊長の血の剣舞が…」 「化け物もこれでおしまいだ」 4匹の化け物たちは、アルバート中佐の方へ突進する。 「終わりだ…」 彼は小さく呟くと、目にも留まらぬ速さで刀を振った。 化け物たちが一瞬で細切れになる。もはや原型を留めているものは居なかった。 「中佐!」 「どうした?」 「生存者のようです」 「な、なんだと!?」 彼らは暗闇の片隅にうずくまる1人の少女を見つけた。手には拳銃が握られている。 「君!大丈夫か?」 「だ…誰?」 「俺たちは海兵隊だ!君たち一般人を助けに来た」 「そう…」 「とにかく、君を保護する」 「その拳銃は?」 「これ?これは…お巡りさんから奪った。 あいつらが…私の大事な人を殺した時…何もしなかった無能な警官から奪ったの!」 「そうか…それは辛かっただろう。とにかくそれは渡してもらおう」 少女はすんなり拳銃をこちらに渡した。英語も少しは通じるようで、軽い自己紹介をしてくれた。 名は真田彩香、学生。どうやら付き合っていた男性が奴らに喰われ、そいつの頭を拳銃で吹っ飛ばしたらしい。
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