自分への偽り

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聖:『あ…もうこんな時間か……そろそろ帰るよ。明日も朝早いし。』 千賀代:『うん。気を付けてね。』 (マズい!! 聖さんが出てくる!) 慌てて和広は隣りの部屋へ隠れる。 (ちぃちゃん…心配してたな…。) 頃合を見て千賀代の居る病室の前に行き、ドアに手を掛ける。 静かにドアを開け、中に入る。 『カズ…!?どうしたの?』 千賀代は目を丸くして和広を見つめた。 『ごめんね。ちぃちゃん…こないだは。何も言わずに帰っちゃって。』 俯いたままそう言うと、千賀代は和広の傍に歩み寄る。 黙って和広を抱き寄せるとそのまま抱き締めた。
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